1 夫が国家公務員である夫婦が離婚した事例

(名古屋高裁平成12年12月20日判決)

 国家公務員である夫(勤続年数27年)と離婚する際に、将来、夫が定年に達したときに受給する退職手当額を財産分与算定の基礎財産に加えたうえで、2分の1を分与すべきであると妻が主張した事案です。

 裁判所は、将来、夫が定年に達したときに受給する退職手当は、夫が定年を迎えるまでは、その有無及び金額などの内容が不確定であることから、訴訟時点で、夫の定年退職時の退職手当の額を、現存する財産として財産分与算定の基礎財産とすることはできないとしました。しかし、訴訟時点において勤続年数から試算できる夫の退職手当(1632万8025円)については、夫が、自己都合で退職した場合でも満額支給される法的状態にあることから、財産分与の清算の対象となる財産は、1632万8025円のうち夫婦の婚姻から別居までの期間(15年)に対応する額(907万1124円)とし、その支払いについては、夫が退職金手当を受給したときに、妻の寄与度(2分の1)にあたる額を支払うべきであると命じしました。また、諸事情を考慮し、財産分与額は550万円とするのが相当であるとの判断を示しました。

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